
エメラルドツリーボア
鮮やかな緑色で木の上に暮らす、待ち伏せの名人
英名:Emerald Tree Boa
学名:Corallus caninus
エメラルドツリーボアは、南アメリカの熱帯雨林に暮らすボアの仲間です。
鮮やかな緑色の体に白い模様が入り、木の枝に体を何重にも掛けて休む姿が大きな特徴です。主に木や低木の上で生活し、夜になると獲物を待ち伏せします。
基本データ
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 名前 | エメラルドツリーボア |
| 英名 | Emerald Tree Boa |
| 学名 | Corallus caninus |
| 分類 | 爬虫類・有鱗目・ボア科 |
| 生息地 | ガイアナ、スリナム、フランス領ギアナ、ベネズエラ、ブラジル北東部など |
| 暮らす場所 | 低地の熱帯雨林、湿地林、川の近くの森林 |
| 大きさ | 最大約2メートルを超えることがある |
| 食べ物 | ネズミなどの小型哺乳類、トカゲなど |
| 活動時間 | 主に夜 |
| 特徴 | 緑色の体、白い模様、樹上生活、ピット器官 |
| 子どもの生まれ方 | 卵を外に産まず、子どもを産む |
オスよりメスの方が大きくなる傾向があり、全長2.2メートルほどに達する記録があります。
体の秘密を観察しよう
① 枝に体を何重にも掛ける
エメラルドツリーボアは、昼間、水平に近い枝へ体を何重にも掛けて休みます。
体を左右に分けるように枝へ巻きつけ、頭を中央付近に置く独特の姿勢を取ります。この姿勢なら、枝から落ちにくく、近くを通る獲物にもすばやく反応できます。
観察ポイント
- 枝に体を何回掛けているかな?
- 頭は体のどの位置にあるかな?
- 尻尾はどこへ巻きついているかな?
- 体の重さをどの部分で支えているかな?
休んでいる個体を無理に動かさず、そのままの姿勢を観察してください。
② 鮮やかな緑色と白い模様
大人のエメラルドツリーボアは、鮮やかな緑色の体をしています。
背中には、白色の三角形や稲妻のような模様が入ります。ただし、白い模様の大きさや数には個体差があり、白い模様が少ない個体もいます。
緑色の体は、熱帯雨林の葉や木漏れ日の中で目立ちにくくする迷彩になります。
観察ポイント
- 白い模様は何個あるかな?
- 左右の模様は同じ形かな?
- 背中とお腹では色がどう違うかな?
- 緑色にも濃い部分と薄い部分があるかな?
③ 子どもは緑色ではない
エメラルドツリーボアの子どもは、生まれたときから緑色とは限りません。
多くの子どもは、赤色、赤褐色、オレンジ色などの体色をしています。成長すると少しずつ緑色へ変化し、大人らしい姿になります。
資料では、生後数か月ほどから緑色への変化が始まるとされています。
どうして子どもと大人で色が違うの?
子どもと大人では、よく使う高さや隠れる場所が異なるため、それぞれの生活環境で見つかりにくい色が役立つ可能性があります。
子どもが成長とともに色を変えることを、体色変化といいます。
④ 口元に並ぶピット器官
エメラルドツリーボアの上下の口元には、小さなくぼみが並んでいます。
このくぼみはピット器官と呼ばれ、周囲のわずかな温度差を感じ取るために使われます。
夜の暗い森でも、ネズミなどの体から出る熱を感じ、獲物の位置を探す助けになります。
観察ポイント
- 口元に小さなくぼみが見えるかな?
- 鼻の穴とはどこが違うかな?
- 上あごと下あごの両方にあるかな?
- 左右に同じように並んでいるかな?
ヘビの顔へ指を近づけず、少し離れた場所から観察してください。
⑤ 二つに分かれた舌
エメラルドツリーボアも、ほかの多くのヘビと同じように二股の舌を持っています。
舌を出し入れして、空気中や枝の表面にあるにおいの情報を集め、口の中にある感覚器官へ運びます。
目、ピット器官、舌など、複数の感覚を組み合わせて周囲の様子を調べています。
⑥ 木の上に適した長い歯
エメラルドツリーボアは、同じくらいの大きさのヘビと比べても、長く鋭い歯を持っています。
枝の上や、枝から下向きの姿勢で獲物を捕らえたとき、逃がさずにつかむのに役立ちます。
毒はありませんが、防御のためにすばやく噛みつくことがあるため、スタッフの許可なく顔や頭へ手を近づけてはいけません。
どんな暮らしをしているの?
エメラルドツリーボアは、主に木や低木の上で単独生活をしています。
昼間は枝に体を掛けて休み、夜になると活動します。獲物を追い回すというより、枝の上から頭を下へ向け、近くを通る小動物を待つ待ち伏せ型のハンターです。
完全に地上へ降りないわけではありませんが、樹上生活へ強く適応しています。
何を食べるの?
自然の中では、主に、
- ネズミなどの小型哺乳類
- 小型の有袋類
- トカゲ
- そのほかの小動物
などを食べます。
鳥も食べると紹介されることがありますが、胃の内容物を調べた研究では、鳥を主食とする確かな証拠は多くありません。木の上から地面近くへ頭を向け、通りかかったネズミなどを狙うと考えられています。
ボアとニシキヘビは何が違うの?
エメラルドツリーボアは、名前のとおりボアの仲間です。
イベントにいるボールパイソンやカーペットパイソンは、ニシキヘビの仲間です。
大きな違いの一つが、子どもの生まれ方です。
- エメラルドツリーボア:卵を外に産まず、子どもを産む
- ボールパイソン・カーペットパイソン:卵を産む
ボアとニシキヘビは姿が似ていますが、分類や分布、子どもの生まれ方などに違いがあります。
卵ではなく子どもを産む
メスのエメラルドツリーボアは、卵を地面や巣に産まず、育った子どもを直接産みます。
一度に5~12匹ほどが生まれることが多く、20匹ほど生まれた例もあります。生まれた子どもは全長40~50センチほどで、すぐに自分で生活を始めます。
グリーンパイソンとそっくり?
エメラルドツリーボアは、ニューギニアやオーストラリアに暮らすグリーンパイソンとよく似ています。
どちらも、
- 緑色の体
- 白色や黄色の模様
- 枝に体を掛ける姿勢
- 樹上生活
- 子どもが赤色や黄色になることがある
という共通点を持っています。
しかし、エメラルドツリーボアは南アメリカのボア科、グリーンパイソンはニューギニアなどに暮らすニシキヘビ科です。離れた地域で暮らす別の仲間が、似た環境へ適応して似た姿になった例です。
観察チャレンジ
実物を見ながら、いくつ見つけられるか挑戦してみましょう。
□ 鮮やかな緑色の体
□ 背中にある白い模様
□ 黄色っぽいお腹
□ 枝に何重にも掛けた体
□ 体の中央に置いた頭
□ 口元のピット器官
□ 二つに分かれた舌
□ 枝に巻きついた尻尾
全部見つけられたら、あなたもエメラルドツリーボア観察名人です。
ふれあいのお約束
エメラルドツリーボアは、手に乗せて触れ合うよりも、枝の上での姿を静かに観察することに向いているヘビです。
- スタッフの許可なく触らない
- 頭や顔へ手を近づけない
- 枝から無理に外さない
- 巻きついた尾を引っ張らない
- ケージや展示台を叩かない
- フラッシュ撮影をしない
- 餌のように指を動かさない
- 大声を出して驚かせない
枝に何重にも体を掛けている状態は、このヘビにとって自然な休み方です。クイズのために無理に動かしてはいけません。
クイズラリーのヒント①
休んでいるときの姿勢
エメラルドツリーボアは、休んでいるとき、水平な枝に体を何重にも掛けることがあります。
頭は体の中央付近に置き、下を通る獲物を待ち伏せしやすい姿勢を取ります。
実物の体が、枝の左右へ何回掛かっているか数えてみましょう。
クイズラリーのヒント②
ボアとニシキヘビの違い
エメラルドツリーボアは、卵を外に産まず、子どもを産みます。
ボールパイソンやカーペットパイソンなどのニシキヘビは、卵を産みます。
名前の最後にある「ボア」と「パイソン」に注目してみましょう。
もっと近くで観察してみよう
爬虫類&アクアリウムカフェRePLでは、エメラルドツリーボアをはじめ、さまざまなヘビや爬虫類を観察できます。
イベントとは違う姿が見られたり、樹上性のヘビに適した展示環境について学べたりする日もあります。


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