
アルビノカーペットパイソン
黄色と白の模様が美しい、大型のニシキヘビ
英名:Albino Carpet Python
学名:Morelia spilota
アルビノカーペットパイソンは、カーペットパイソンの色彩変異の一つです。
通常のカーペットパイソンには、黒色や茶色、黄色、クリーム色などの模様があります。アルビノ個体では、黒色や茶色のもとになるメラニン色素がほとんど作られないため、黄色、オレンジ色、白色が目立つ美しい姿になります。ヘビのアルビノでは、黒色の模様が白色や淡い色に変わり、目が赤色やピンク色に見えることがあります。
基本データ
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 名前 | アルビノカーペットパイソン |
| 英名 | Albino Carpet Python |
| 学名 | Morelia spilota |
| 分類 | 爬虫類・有鱗目・ニシキヘビ科 |
| 主な分布 | オーストラリアなど |
| 暮らす場所 | 森林、草地、岩場、木の上など |
| 大きさ | 多くは全長2〜2.5メートル前後 |
| 食べ物 | 小型哺乳類、鳥、トカゲなど |
| 活動時間 | 主に夕方から夜 |
| 特徴 | 黄色と白の体色、赤みのある目、ピット器官、長く力強い体 |
カーペットパイソンは地域による違いが大きいヘビです。成長すると2メートルを超える個体も多く、オーストラリア北部のタイプでは平均約2.5メートルとされています。種類や性別、個体によって大きさには差があります。
飼育個体の亜種が確認できている場合
PETSYMの個体がダーウィンカーペットパイソンと確認できている場合は、学名を
Morelia spilota variegata
と表記できます。ダーウィンカーペットパイソンは、トレジアンカーペットパイソン、ノースウェスタンカーペットパイソンとも呼ばれる亜種です。
体の秘密を観察しよう
① 黄色と白になる「アルビノ」の秘密
アルビノは、体の黒色や茶色を作るメラニン色素が作られない、または非常に少ない特徴です。
そのため、通常なら黒色や茶色に見える部分が白色や薄い黄色になり、本来持っている黄色やオレンジ色の模様が目立ちます。
アルビノだから模様がなくなるわけではありません。色は薄くなっても、カーペットパイソンらしい模様の配置は残っています。ヘビの研究でも、メラニンが作られない個体に、ほかの色による模様が残ることが確認されています。
観察ポイント
- 白い部分と黄色い部分は、どんな形で並んでいるかな?
- 背中とお腹では色が違うかな?
- 頭にも模様があるかな?
- 目は何色に見えるかな?
② 口元の小さなくぼみ
カーペットパイソンの口元をよく見ると、鱗の間に小さなくぼみがあります。
これはピット器官と呼ばれ、周囲の温度の違いを感じるための器官です。
獲物となる動物の体から出る熱を感じ取ることで、暗い時間帯でも位置を探す助けになります。カーペットパイソンでは、主に下あご付近のピット器官で温かい動物を探します。
観察ポイント
ヘビの顔に触れたり、指を近づけたりせず、少し離れて口元を見てみましょう。
- 上あごと下あごのどちらに多く見えるかな?
- 鼻の穴とは、どのように違うかな?
- 左右に同じように並んでいるかな?
③ 二つに分かれた舌
カーペットパイソンは、二つに分かれた舌を何度も出し入れします。
舌で空気中や地面にあるにおいの情報を集め、口の中にある感覚器官へ運びます。
舌を左右に分けることで、においがどちらの方向から来たのかを調べる助けになります。
観察ポイント
- 舌の先は何本に分かれているかな?
- 舌を出す速さはどれくらいかな?
- 移動するときと、じっとしているときで回数は違うかな?
④ 木の上でも地面でも動ける体
カーペットパイソンは地面だけでなく、木の枝にも登ります。
長い体を枝に巻きつけ、筋肉を使って体を支えます。野生では木の枝、樹洞、倒木、岩のすき間など、さまざまな場所を利用します。
特にオーストラリア北部のカーペットパイソンは、木の上で活動する姿もよく見られます。一方で地面も移動するため、完全な樹上性ではなく、地上と樹上の両方を利用するヘビです。
観察ポイント
- 枝に体を何か所巻きつけているかな?
- 体のどの部分でバランスを取っているかな?
- 地面と枝の上では、進み方が違うかな?
⑤ 毒ではなく、筋肉を使う
カーペットパイソンは毒を持っていません。
獲物を捕らえると、長く力強い体を巻きつけて動きを止め、頭から丸ごと飲み込みます。
ヘビのあごは大きく開くようにできており、左右のあごを交互に動かしながら、少しずつ獲物を飲み込みます。カーペットパイソンは待ち伏せをして、近くを通った動物を捕らえることがあります。
どうして「カーペットパイソン」なの?
通常のカーペットパイソンには、黒色、茶色、黄色、クリーム色などが複雑に並ぶ模様があります。
その模様が、床に敷く模様入りのカーペットのように見えることから、「カーペットパイソン」と呼ばれています。
アルビノ個体では黒色や茶色が薄くなっていますが、模様そのものは残っているため、白色と黄色のカーペットのように見えます。
何を食べるの?
自然の中では、体の大きさに応じて、
- ネズミなどの小型哺乳類
- 鳥
- トカゲ
- 小型の有袋類
- コウモリ
などを食べます。
小さい個体はトカゲなどを食べることが多く、成長すると哺乳類や鳥も捕らえるようになります。夕方から夜に活動し、獲物が近づくのを待つことがあります。
※ヘビは人間のように毎日食事をする動物ではありません。年齢、体格、季節、体調によって食事の間隔が変わります。
卵を守るお母さん
カーペットパイソンは卵を産むヘビです。
メスは卵の周りに体を巻きつけ、孵化するまで守ります。地域や個体によって卵の数には幅がありますが、複数の卵をまとめて産みます。孵化した子どもは、卵から出た後は自分で生活を始めます。
PETSYMで起きた不思議な誕生
PETSYMでは、長期間単独で飼育していたメスのアルビノカーペットパイソンが産卵し、その卵からアルビノの子どもが誕生しました。
この誕生については、単為生殖の可能性も含めて調査・記録中です。
長期間単独で飼育されていたことや、親子がどちらもアルビノであることだけでは、誕生の仕組みを断定することはできません。
科学的に調べるためには、
- 親個体の飼育履歴
- 産卵日と孵化日
- 卵の数と状態
- 子どもの成長記録
- 親子の遺伝情報
などを残すことが大切です。
現在の適切な表現
単為生殖で生まれた可能性がある、調査中のアルビノカーペットパイソン
科学では、珍しい出来事をすぐに決めつけるのではなく、記録を集め、複数の可能性を考えながら確かめていきます。
クイズラリーのヒント①
パイボールとアルビノの違い
ボールパイソンの「パイボール」は、通常色の部分と白い部分が大きな斑模様になっています。
アルビノは、黒色や茶色を作るメラニン色素がほとんど作られないため、黄色、白色、オレンジ色が目立ちます。
つまり、
- パイボール:白い部分が斑状に入る模様
- アルビノ:黒色や茶色の色素が作られにくい特徴
です。
クイズラリーのヒント②
口元の小さなくぼみ
ボールパイソンやカーペットパイソンの口元には、小さなくぼみがあります。
この器官は、周囲の温度差や、獲物となる動物が発する熱を感じるために使われます。
実物の口元を、少し離れた場所から観察してみましょう。
特別・上級問題のヒント
PETSYMで長期間単独飼育されていたメスから、アルビノの子どもが誕生しました。
この時点で最も科学的な考え方は、
単為生殖の可能性はあるが、飼育記録や遺伝子検査などによる確認が必要
というものです。
珍しい結果だけで判断せず、「どのような記録や証拠が必要か」を考えることが、研究の第一歩です。
もっと近くで観察してみよう
爬虫類&アクアリウムカフェRePLでは、アルビノカーペットパイソンをはじめ、さまざまなヘビや爬虫類を観察できます。
イベントとは違う姿が見られたり、体の模様や飼育環境について詳しく学べたりする日もあります。



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